2009年02月04日
なんで県庁を辞めたの? ~市民活動だからできること~
たっちゃんは元県庁職員でした。2004年、38歳の時に静岡県庁を退職し、愛妻・みっきーと、協力してくれる仲間とともにNPO法人ゆめ・まち・ねっとを設立しました。
現在は静岡県富士市を拠点に年間100日、「冒険遊び場たごっこパーク」という子どもたちの居場所づくりに取り組んでいます。
そこで出会う子どもたちから導かれるままに、様々な子育ち支援に取り組んでいます。
ブログには書けないような内容のこともたくさんあります。
様々なお立場のいろんな方から共感をいただき、市民活動の輪を広げています。
そんな実践を評価していただき、静岡県内はもとより、全国地にお呼びいただき、講演会や学習会、シンポジウムなどにも協力をさせていただきながら、市民活動の志を多くのみなさんと語り合ったりもしています。
で…講演会やシンポジウムなどにお招きいただいた先々でいつも聞かれます。
「たっちゃんはなんで県庁を辞めちゃったの?」、「みっきーはなんで県庁を辞めることを認めちゃったの?」
そうですよね。このご時勢、県庁職員をしていたらリストラはないですし、給料は毎年、確実にアップしますし、役職も年齢とともに確実に上がります。福利厚生も恵まれていますし、退職後も安心です。
なんで辞めたか。
「いやぁ、金髪にしてみたかったんですよね。でも、さすがに県庁職員で金髪ってわけにもいかないだろうから、退職をしようかなと。」
ウソです。
まちをおもしろくするために自分たちができることを考えていたら、自然と流れは県庁職員&セレブ妻(?)という立場から市民活動をやるおっちゃん&おばちゃんに変わっていったわけです。
まちをおもしろくする、まちを暮らしやすくする、まちをわくわくどきどきさせる、そんなことがやりたくて県庁に入りました。
富士山こどもの国、国民体育大会、全国障害者スポーツ大会、浜名湖花博…まちをおもしろくするための県庁ならではの大きな仕掛けづくりに携わらせてもらいました。
どの仕事も一生懸命やりましたし、楽しかったですし、いろんな成果も得られました。
だけど…まちのわくわくどきどきって、もっと違う育み方があるんじゃないかなぁと年々感じるようになりました。
例えば、行政では、児童の健全育成、地域の安全対策、環境保護、商店街の振興…様々な社会的課題に対して、県民の声を聴き、県民とともに行動するという仕掛けづくりをします。
でも、その声を聴く場って、ほとんどが会議室で開催される「青少年問題対策会議」だったり、「地域安全対策協議会」だったり、短時間の商店街現地視察だったりするわけです。
いわゆる各種団体の長と呼ばれる人たちが参加します。いろんな団体の長を務める人たちですから、確かに様々な知恵が出されます。出された知恵を実行に移すための動員力もあります。県庁+各種団体、ですからね。
県庁を中途退職し、ゆめ・まち・ねっとで取り組んでいることは、まったく逆の手法です。
県庁という大きな組織だからできることではなく、どの地域でも、誰でも取り組めること。そんなことにこだわってきました。
子どもたちのこと一つとっても、国には文部科学省と厚生労働省という組織に分かれています。
だから、県でも市でも子どもたちを取り巻く課題の解決に欠かせない教育・福祉・医療の三本柱が連携するということはなかなか難しいのです。
実際、たっちゃんも県児童相談所のケースワーカー時代にそのことを痛感しました。
そして、子どもの育ちを支援するのに教育、医療、福祉以上に欠かせないのが毎日、毎日、遊ぶことだと思うのですが、そのことに専門的に取り組む行政部署はありません。
ですから、行政ではできないこと、市民だからできることとして、子どもたちの居場所づくりに取り組んでいるのです。
小学生を中心とした世代が生き生きと遊べる場づくり。
思春期の子どもたちに教育・福祉・医療という枠にこだわらずに大人が向き合う場づくり。
行政のように、青少年問題連絡協議会で対策を講じるのではなく、市民活動らしく、一人ひとりの親と語り合い、活動し合う。
行政のように、地域団体に補助金を交付して協力を依頼するのでなく、市民活動らしく、一人ひとりの地域の人と小さなことを積み重ねて、結び付き合う。
行政のように、各大学に学生のボランティア動員を要請するのではなく、市民活動らしく、一人ひとりの学生との出会いを大切にし、響き合う。
政治や行政の取り組みに比べたら、ほんとに小さなゆめ・まち・ねっと流の仕掛けですが、一人ひとりの方がそれぞれの個人の立場と気持ちで関わり、つながってくださっています。
だから、子どもたちの弾けるような笑顔が見られます。
時には悩みや悲しみを真剣に語ってくる時もあります。
ふとしたつぶやきを聞かされる時もあります。
市民活動だからできる子どもたちの居場所づくり。
そして、そんな子どもたちの笑顔やつぶやきに出会い、大人たちも大人として今、やらなければならないことを考え、行動する。
年間行事予定に沿ってではなく、今、この時、この子たちのためにできることをやる。
市民活動だからできる大人の共感の輪を広げること。
もちろん、まだまだ試行錯誤の毎日です。
失敗をすることもあれば、いろんな人に迷惑を掛けることもあります。
でも、多くの人に支えられて、まちのわくわくどきどきを政治・行政とは違う形で育むことができている、そんな実感を日々いただいています。
そんな毎日をこのブログでお伝えしていきます。
これまでの4年半の歩みはこちらのブログ⇒ゆめ・まち・ねっと日誌